私は2021年で、うつ歴がかれこれ13年になります。
その間、いろいろな薬を処方されました。
いろいろな・・・つまりは、効果がなくて次々に薬の種類を変えて試した、ということになるのですが。
個人的な感覚ですが、様々な薬を試した中でどれがどんな効果(あるいはどんな変化)があったかについて、すこしずつ紹介していきたいと思います。
まずは初期に試していった薬とその影響と思われる「離脱症状」についてお話しします。
※薬に関する記事は、私個人の感想、見解ですので、参考として捉えてください。
薬の調整は必ず主治医に相談してください。
うつになる仕組み
その前に、少しだけうつの仕組みの話を。
そもそも、うつになるメカニズムは、まだ完全に解明されていないんですよね。
それでも1960年代の研究で、「モノアミン」とよばれる神経伝達物質のうち、セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンが脳内から減ってしまうのではないか?という「モノアミン仮説」が最も有力とされているのです。
簡単にいうと、3つの幸せをつかさどるホルモンの、セロトニン(安心のホルモン)、ドーパミン(快感のホルモン)、ノルアドレナリン(意欲のホルモン)が減ってしまって、その結果、心のバランスが崩れてしまう、というものです。
現在のうつの治療は、減ってしまった分を薬で補おうという、このモノアミン仮説による薬物投与がメインで行われています。
ただ、こういった脳内の研究によって、少なくとも今まで言われていたような「気持ちの問題」とか「なまけ癖」ではないことがわかってきました。
私の投薬について
私が初めてうつと診断され、処方された薬はジェイゾロフトとドグマチールでした。
ジェイゾロは「SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害剤 )」で脳内で不足したセロトニンの作用を強める効果を持っています。
ドグマはもともと胃薬として開発されましたが、低用量で抗うつ、高用量で抗精神病薬として効果が期待できます。
ちなみにジェイゾロは発売から14年、ドグマについてはなんと50年以上たつ、ともに信頼性の高い薬です。
その後、いろいろな種類の抗うつ薬、抗不安薬、睡眠薬を経て、現在は「イフェクサー」とデプロメールのジェネリックである「フルボキサミンマイレン」に落ち着いています。
初めての抗うつ薬で感じたこと
はじめのこの2剤(ドグマとジェイゾロ)の投薬を2年ほど続けました。
初めて飲んだ抗うつ剤にしては、吐き気や眠気など副作用は全くなかった反面、効き目についてもよくわからなかったというのが実感です。
痛み止めや胃薬のように即効性があるものではないし、そもそも当時は気分の落ち込みがどんなものか、自分でもよくわかっていなかったですね。
通院の度、体調の変化や気分について聞かれましたが、良くも悪くもない、ことを伝えたと思います。
そこからジェイゾロの量が1日1錠が2錠に、そして100㎎まで増えていきました。
果たして薬の効果はあったのか?
2年間投薬を続け、その頃は月1回のペースで通院してましたが、特別効果があった!と実感できるものではありませんでした。
仕事が忙しいのと、通院したからといって格別体調がよくなるわけでも、生活が変わるわけでもない、だんだんと通うのが面倒くさくなってしまいました。
実はこの、効果が実感できないと思うのが抗うつ薬のポイントで、胃薬や痛み止めのように「飲んだら痛みがおさまった、体調がよくなった。」というものではないのです。
いくら仕事が忙しくても、うつの状態が悪くなっていけば、会社に通えるどころではないわけです。
逆にいうと、薬によって通えるくらいの状態(体調)になっていた、とみるべきなのです。
うつの初期の人によくありがちな、途中で通院しなくなる、薬を飲まなくなる原因がここにあります。
後に薬の影響を知ることになったきっかけ
その頃の私はというと、ついに薬が切れてしまいました。
病院にいかなくなって2週間ほど過ぎたとき、それは前触れもなく突然やってきました。
仕事中に夕方16時くらいに、急に背筋に「ゾワゾワッ」とした感覚が走り、とにかく気持ちが悪いんです。
からだのどこかが痛いわけではなく、悪寒といえばそんなような、でも風邪の症状とも違う。
歩いていて、後ろを振り向くたびに背中から後頭部にかけて、電流が流れるような感覚・・・
言葉で表すと、私の場合、「ビリビリ」というよりは「ゾワゾワ」というのがあっている気がします。
そのあと、頭の奥でグルグルとめまいがします。
座って黙っていると、ようやく落ち着いて、しばらくそのことを忘れることができました。
ところが今度は、仕事が終わって家に向かって歩いているときに、再びその感覚が。
動かないうちはいいのですが、立ったり歩いたりすると、ゾワゾワとなるようです。
我慢して家に着くと、そのまま横になり、いつのまにか眠ってしまいました。
翌日の朝、何事もなかったように目が覚め、出勤できました。
そして夕方までは、なにも起こらない。
なんだかよくわからないそんな状態が、2か月くらい続き、いつのまにか「ゾワゾワ」感はなくなり、記憶のかなたに消えてしまいました。
それが「シャンビリ」だと分かったのは、2年後に再びその感覚が訪れた時でした。
そのときも、薬を切らしてしまった後で、原因を探ろうとネットで調べてみたんです。
間違いなく、薬がこの気持ち悪さに関与している、
つまり確実に自分の脳に強烈に作用しているのだと、初めて理解しました。
それ以降、悪循環としかいいようのない、「うつループ」に陥ってしまうのです。



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