うつの原因については、人によってさまざまだと思いますが、いままで通った病院で、こうなった原因を探ってみましょう、というところは一つもありませんでした。
もちろん原因を探ろうとする病院もあるとは思いますが、少なくともこれまで私がかかった4つの病院では一度もありませんでした。
まずは現在の「症状」を聞かれ、その「症状」を緩和するために投薬で様子をみましょう。
もし状態が良くなれば、薬は減らしていきましょう、というのがこれまで通った病院すべての対応でした。
うつ患者への対処方法
現在、うつの発症のメカニズムは、脳内の神経伝達物質のうち、リラックスさせる抑制性であるセロトニンの量が減ることで、感情に影響を与える、というのが一般的な見方です。
なのでセロトニンの量を増やす薬を処方するのは理にかなった対処法であるのは明確です。
そして『うつの原因』についてはひとつだけでなく、体調不良を引き起こした要素が複数あると考えられ、「性格」「遺伝」「ストレス」「生物学的な原因」などが挙げられます。
もし、ある人のうつになった理由を探ろうとすれば、その人を取り囲む環境や人間関係まで広げる必要があり、さらにはその人の性格や人格形成に費やした過去を紐解く必要がありそうです。
ではなぜ、心療内科では原因を探ろうとしないのか?
一時間に20人も患者が訪れるような、大人気の病院には一人に充てられる時間に限りがあります。
一人10分も診察されれば長い方でしょう。
私が通っている病院では、数秒で診察室から出てくる患者さんもいましたし・・・笑笑
病院でそこまで時間をかけるのは無理な話かもしれません。
病院はその人の生い立ちを追っていくよりは、「うつの原因はセロトニンの不活性なのだから、セロトニンが増える薬を処方する。」
この方がはるかに効率がいいことは確かです。
また、病院によっては、そこはカウンセラーにまかせましょうと、医師ではなくカウンセラーと会話するところもあります。
また、同じような病気の人間が集まって他人の病状を聞いたり話したりする集団療法も提案されたことがあります。
集団療法は薬物中毒の患者では一定の効果はあると聞きますが、うつ病に関しては、様々な要因から、効果がない場合もあるのでは?と疑問に思います。
私のように、そもそも人付き合いが苦手な場合にはこれは苦痛でしかありません・・・
ある病院では、第三者に原因があると想定される場合にはその第三者(会社の同僚や上司)を同席させる、と言うところもあって、一度その主治医から上司を連れてくると復帰が早くなる、といわれたことがありました。
正直、これにはびっくり。
仮に上司とのかかわりが原因だったとするなら、その上司と一緒に診察を受けるなんて到底できるはずもなく・・・(^^;
と、思っていたのですが、
この考え方は原因を探るという意味で、もっともな対応なのかな?と。
原因を探る
そもそも、なぜ急にこんな状態になったのか?
私は数年前まで、残業は当たり前、夜通し働いて徹夜明けに打合せ、そしてそのまま夕方まで仕事を続ける、そんなことを繰り返していました。
今では考えられないことですが、今の業務改革が普及する前は、どこも当たり前だったのではないでしょうか。
「ブラック企業」と呼ばれても仕方がなかったかもしれません。
ただ、当時はそれほど苦に感じてもいなくて、むしろ「俺は働いている!」という達成感すら感じていました。
そして、うつと診断される直前まで、そんな日々が続いていました。
体に感じていなかっただけで、疲れやストレスがたまっていて、一気に雪崩のように襲ってきたのか?
というよりも、今考えれば、ちょうどその頃、一息つくように忙しい状態が落ち着いたために、緊張の糸がプツリと切れて、無気力な状態になってしまったのかも?
いずれにしても、当時の仕事の忙しさも原因のひとつであると思っています。
うつになった原因を知る、体調が悪くなってしまったきっかけのひとつでも知ることができるのは、今後、状態を悪化させないためにも絶対に必要なことだと考えます。


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